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2016年7月 2日 (土)

契約書をどう書く?プロダクト・グラフィックデザインをロイヤリティ契約で行うデザイナーの権利を守るには デザイン契約書ひな形テンプレートダウンロード

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ふだんデザイン活動をしていると、権利や契約について質問されることも多いんですよねえ。いや、特に詳しいわけでもないんですけど。 でも聞かれちゃう。




Q.契約書って交わしてるの?

→実は9割以上の仕事で交わしています。

たぶん多い方だと思います。「言い出しにくくない?」っていう質問には、これについてはちゃんと説明すれば「契約により問題を未然に防げる」安心感を必ず理解してもらえます。
契約書は双方が気持よく仕事をするためにあるのだとつくづく思います。
そして、できればデザイナー側で契約書を用意すべきだとも思うのです。

 

Q.クライアント側から契約書を出されちゃったんだけど?

→クライアント側が用意した契約書の場合には、たいていは「請負契約」と表題に書かれています。 ですがデザイン業務の場合、これではサインできないことが多いのです。
ここんとこを説明して納得してもらい、自分で用意した契約書にサインしてもらったことが何度かあります。

こんな説明をしました。

通常、契約には請負契約と委任契約が存在します。

請負契約は、たとえばネジを工場に発注して完成したネジが合わなければ、工場の責任で作りなおしてもらえる契約です。完成をもって対価を払い、完成品は発注者のものになりますよね。

委任契約は、業務を行ったことに対して報酬をもらいます。なぜならデザインの究極の目的は商品が売れることかもしれませんが、ネジのようにはそれを約束することができないからです。なので作業量に応じて報酬を得て、完成品も著作権者としてデザイナーの権利が残り、発注者のものにすべてなるわけではありません。

請負契約書には「隠れた瑕疵は乙の責任と費用の負担をもって対処すること」なんて書かれていますから、もう大変です。そこはちゃんと説明して、これがデザイン契約に使えるものではないことを理解してもらいましょう。

参考まで、日本弁理士会意匠委員会さんと日本インダストリアルデザイナー協会職能委員会さんが、こういう点に注意して契約すべし、という内容をまとめて公開しておられます。→研究成果 | 日本弁理士会さんにある、「デザイナーにとってのデザイン契約」これがとってもわかりやすい。リンク先はpdfです。

 

Q.契約書は自分で書いたの?

→いや、無理。

もう10年以上いろんなものを使いましたが、いまはこちらの契約書を依頼の内容にあわせて書き換えて使ってます。 →(デザイナーが作った「ロイヤリティ契約を行う場合のデザイン契約書」 DLmarketさん)

専門家が作ったものじゃないと注意がありますが、できるだけデザイナー寄りのものが欲しかったんです。あとデザイナーが権利を保ったまま、使用だけを許諾するライセンス契約の内容になってます。デザイナー寄り。 


Q.デザインを買い取ってもらえば、契約書は不要じゃないの?

→買い取り契約の場合には、全ての権利と責任も含めて譲渡する、っていう内容の覚え書きがあれば大丈夫って人もいますよねー。ただし、「責任も」ちゃんと譲渡するっていうところが重要ですよ。

ただし!この場合、デザイナー自身がそのデザインを利用することももはやできない、と知っておいて下さい。つまり自分がデザインしたという事実まで売ってしまったのです。

問題になるのは、クライアントは「買い取り」したと考えていて、デザイナーは「使用権の一部だけを許可した」つもりの場合です。この認識違いがホント多い。ここがはっきり記述してある契約書を使って下さい。

そしてこの場合は買い取りではないので、仮にロイヤリティが0%であっても使用許諾のライセンス契約書が必要になるのです。

というわけでデザイナーのみなさん、どうぞ契約の上で良い仕事をしてくださいな。その継続がきっと、契約してあたりまえっていう世間の雰囲気を生むと思うのですよ。

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